敵への軍事対応を先制攻撃方式に転換する
朝鮮外務省代弁人談話 
−2016年3月6日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は6日、全文次のようなスポークスマン談話を発表した。


 米国が、朝鮮半島に侵略戦争の暗雲を引き込んでいる。

 米国は、我々の自衛的な水爆実験と平和的な衛星打ち上げに言いがかりをつけ、理性を失って「制裁」の狂気を振るったうえ、朝鮮半島を戦争の修羅場にしようとしている。

 7日から始まる「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習には、1万5000余人の米軍と29万余人の南朝鮮かいらい軍の兵力、そして、原子力潜水艦ノースカロライナとステルス戦闘機F22Aをはじめ、各種の戦略資産が動員されるという。

 看過できないのは、米国が丸々一つの戦争を行える膨大な武力が参加する今回の合同軍事演習でいわゆる「斬首作戦」と「ピンポイント攻撃」の現実性を検討すると公然と騒ぎ立てていることである。

 これは、米国が南朝鮮かいらいとともに今回行う合同軍事演習が、これまで常套的に利用してきた「年次的」だの、「防御的」だのの類いの看板までかなぐり捨てて侵略的性格を露骨にさらけ出した危険極まりない戦争行為であることを如実に示している。

 米国が朝鮮半島で危険度数を最大に高めて侵略戦争の火を付けようと狂奔していることを、我々は絶対に袖手傍観できない。

 火は火で治め、核には核で対抗すべきであるというのが、我々の揺るぎない信念であり、意志である。

 我々には、世界最大の核保有国である米国の恒常的な核の威嚇と戦争挑発策動を退けて、民族の自主権と生存権を守る唯一の方途は、核戦力強化による力の均衡を実現することだけであるという決断のもとにしっかり打ちかためてきた限りなく強大な核抑止力がある。

 我々は、いつ、どこからでも、米国の国土を意のままにたたくことができる最先端攻撃手段を持っており、強力なチュチェ弾、統一弾を放てる労働党時代のチュチェ兵器を絶えず開発し、完成させて実戦配備している。

 この地で戦争が起こる場合、それは、朝鮮半島に限られないであろうし、通常戦力だけによる戦争にとどまらないであろう。

 生死を分かつ朝米対決が、世界的な核戦争に拡大しないという保証はどこにもない。

 情勢がもはや放置できない険悪な域に至ったことに関連し、敵に対する我々の軍事的対応方式は先制攻撃的な方式にすべて転換されるであろう。

 朝鮮人民軍最高司令部は、既に重大声明を通じて、いわゆる「斬首作戦」と「ピンポイント攻撃」に投入される敵の特殊作戦武力と作戦装備がさ細な動きでも見せる場合、それを事前に徹底的に制圧するための先制的な正義の作戦遂行に入るという最終的な立場を宣言し、攻撃目標まで明白にした。

 戦略的縦深が深くないわが国の条件で、米国の先端軍事装備と特殊部隊の不意の奇襲攻撃を無力化して自分を守る道は断固たる先制攻撃だけである。

 我々が、核を保有するはるか前から朝鮮半島に核兵器を持ち込み、わが共和国を「悪の枢軸」、核先制攻撃の対象に指定した米国が、我々に極端な核の威嚇を加えている状況で、我々が先制攻撃で対応するのはあまりにも当然の自衛権の行使となる。

 凶暴に襲いかかるオオカミの群れを前に、猟銃を持っていながら、かみつかれるまでおとなしく座って待つことはできない。

 いま、わが軍隊は、激減の筒を向けて核攻撃武力の照準鏡で米国を注視しており、ぴくりとでもするなら、その機会を利用して米国の地を完全に焦土にする一念で胸を燃やしている。

 米国の無分別な軍事的冒険で戦争の危険が重く漂う現朝鮮半島情勢は、誰が真の挑発者で、誰が正義と平和の守護者であるのかをしっかりと示している。

 これから朝鮮半島で戦争が起こるなら、その責任は誰が先制攻撃を加えようと関係なく、多くの戦略資産と戦争装備を投入して火ぶたを切った米国が負わなければならない。【朝鮮通信=東京】


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