家族との面会を再度要求
朝鮮赤十字会委員長が通知文 
−2016年4月28日−

 朝鮮中央通信によると、朝鮮赤十字会の委員長は28日、南朝鮮赤十字社の総裁に次のような通知文を送った。

 我々は、既に何度も貴方の国家情報院のごろつきが中国の浙江省で、白昼に働いた我々の公民にたいする集団的誘引・拉致蛮行の真相を明らかにし、拉致した我々の公民を速やかに無条件送還することと、拉致行為に加担した者を厳罰に処するか、神聖な我々の法廷に引き渡すよう貴方当局に強く求めた。

 特に、私は、貴下に貴方当局が今回の拉致蛮行を「自由意思による集団脱北」であると不当に主張する状況で、わが方の家族が板門店を通じてソウルに出向き、拉致された子どもと直接会って彼女たちの意思を確認できるよう必要な実務的措置を即刻講じることを求める通知文をメディアを通じて送っている。

 しかし、貴方当局は、「国際慣習」だの何のと被害者家族の切々たる願いをかなえようとする我々の正当な要求をかたくなに否定している。

 我々は、貴方のこのような態度を計画的で組織的な集団的拉致蛮行の真相があらわになるのを阻もうとする卑劣で幼稚な行為であるとしか見られない。

 また、貴方の国情院のごろつきが罪のない我々の公民を南朝鮮に誘引、拉致するために事前にどのように作戦を立てて実行に移したのか具体的にすべて知っており、その証拠も持っている。

 貴方の国情院の悪党が、中国の現地ブローカーと共謀して最も卑劣で悪辣な手法で我々の公民を集団的に誘引、拉致して南朝鮮に連れ去ったのは、前代未聞の極悪な反人倫的蛮行であって、内外の大きな怒りを買っている。

 さらに絶えがたいのは、貴方当局が拉致した我々の公民を個室に別々に閉じ込めて外部と徹底的に隔離した状態であらゆる懐柔と欺瞞、威嚇と恐喝の方法で「帰順」を強要していることである。

 我々の公民は、祖国に直ちに帰してほしいと強く抗議してハンガーストライキをおこなっており、一部の若い女性は失神状態になって生死の岐路に立たされている。

 これが、貴方がそれほど口を酸っぱくして騒いでいた「人道主義」であり、「人権保護」であるのかを問わざるを得ない。

 我々の公民が、いわゆる「自由意思」によって南朝鮮に行ったなら、なぜ彼女たちを個室に別々に監禁し、外部と隔離したまま自分の意思も表現できないようにするのかというのである。

 貴方が、いわゆる「国際慣習」を云々し、父母と子どもの面会まで遮断するのは反人倫的蛮行の極みである。

 生き別れを強いられた父母と子どもが一日も早く会えるようにするのが、まさに普遍的な国際慣例であり、人道主義である。

 貴方は、父母と子どもが直接会って意思を確認させようという我々の正当な要求を受け入れられない何の理由もない。

 愛する子どもを父母の懐から引き離して一家だんらんを破壊した貴方は既に、離散家族・親戚の再会を云々する一片の体面まで完全に喪失した。

 我々は、貴方の赤十字社が特大型の集団拉致蛮行について袖手傍観しているのが、崇高な赤十字精神に根本的に反する反人道的な行為であると思う。

 今回の事態をこれ以上放任するなら、必ず想像できない残酷な結果に直面するということを想起させる。

 貴赤十字社が真に人道的使命に忠実であるなら、貴方当局が集団誘引・拉致蛮行にたいして謝罪し、我々の公民を無条件、即時送還し、拉致蛮行に加担した者を厳罰に処するよう当然の役割を果たすべきであろう。

 差し当たり、我々は、貴方が拉致した我々の公民の家族がソウルに出向いて子どもと直接会えるよう必要な実務的措置を早急に講じるよう改めて強く求める。

 もし、我々の正当な要求に引き続き背を向ける場合、そこからまねかれる重大な結果にたいする全責任は、貴方が負うことになるであろう。【朝鮮通信=東京】


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