「拉致」と朝鮮半島非核化は異なる問題
−2010年3月24日−


 朝鮮中央通信によると24日付の「民主朝鮮」紙は、「浅知恵は、通用しない」と題する全文次のような署名入りの論評を掲載した。


 日本がまたしても古びた「拉致」の風呂敷を持ち歩いて騒々しく振る舞っている。

 先日、南朝鮮駐在日本大使はある会合で、「拉致問題」を朝鮮半島の非核化問題とともに解決すべきだの何のと力説した。

 一国の大使なる者が問題の本質も知らず、無分別に振る舞っているのは遺憾なことであると言わざるを得ない。

 「拉致問題」が朝鮮半島の非核化問題とともに論議されるべきであるという主張は、商取引にも劣る安っぽい詭弁である。

 「拉致問題」と朝鮮半島の非核化は、何の内的関連性もない全く相異なる問題である。

 何の内的関連性もない「拉致問題」を、朝鮮半島の非核化という重要な政治的問題とごちゃ混ぜにしようとする日本の執拗な態度には吐き気と嫌悪感を催すだけである。

 問題は、日本が古びた「拉致」の風呂敷を広げて6者会談の議題に上程させようと躍起になる理由が何なのかということである。

 その理由は、火を見るよりも明らかである。

 日本は「核の問題」と「拉致問題」をごちや混ぜにして複雑さを生み出すことにより、国際社会が朝鮮半島の非核化問題の解決に集中できないよう妨害し、ひいては自分らの不純な政治目的の達成に有利な条件を整えようと画策している。朝鮮半島の非核化プロセスを破綻させて核武装化の口実と名分を設け、自分らの罪深い過去を覆い隠し、その清算を回避しようとするのが日本の反動層が追求する戦略的目標である。

 この野心的な目的の実現のために日本の反動層は、6者会談が開かれる最初の瞬間から「拉致問題」を対峙させるなど傲慢無礼に振る舞って朝鮮半島の非核化を望まない自分らの腹黒い本心をあらわにした。6者会談の席で日本が「拉致問題」を取り上げて朝鮮半島の非核化プロセスを破綻させるためどれほど狂奔したのか、日本はすんでのことに追い出されるところであった。朝鮮半島の非核化には関心がなく、もっぱら「拉致問題」にだけ執着する日本に、果たして6者会談参加国のポストを付与する必要があるのかという問題まで浮上するようになった。

 実際、6者会談で当然の結実がもたらされず、非核化プロセスが破綻せざるを得なかったのは日本にも主な責任がある。

 日本は、「拉致問題」を持ち出して反共和国敵対意識を鼓吹し、6者会談に難関をきたして出席者からも非難を浴びた。

 こうした重要な教訓があるにもかかわらず、日本がいまだに正気になれず、過去の悪習をまたしても繰り返しているのを見ると、“三つ子の魂百”までという言葉に誤りがないという思いに至る。

 日本は、「拉致問題」と「核問題」の同時解決が朝日関係問題解決の方途にでもなるかのように世論を流布しているが、それは現実を歪曲する欺瞞にすぎない。

 朝日関係は、「拉致問題」や「核問題」のために解決されないのではなく、日本が我が国を40余年間も不法・無法に占領し、我が人民に計り知れない不幸と苦痛を強いた特大型反人倫犯罪について誠実に認め、謝罪、賠償していないからである。したがって、朝日関係を改善して両国の関係を正常な軌道に乗せるためには、責任のある当事者である日本がまず過去の清算に臨むべきである。

 日本が我が人民に働いた過去の犯罪について心から謝罪し、賠償することこそ、朝日関係改善の出発点であり、唯一の方途である。

 日本は、朝鮮半島の非核化問題を自分らの不純な目的に利用しようとする愚かな打算を捨てるべきである。

 浅知恵は、絶対に通用しない。

2010.3.24 「民主朝鮮」論評(全文)−朝鮮通信=東京


ホーム 閑話休題 くらしの知識 資料室 写真室 自己紹介 ホームページ案内 リンク集



inserted by FC2 system