最高人民会議第11期第6回会議

内閣の2007年の活動状況と2008年の課題
−2008年4月9日−


 朝鮮中央通信などによると、2008年4月9日に開かれた最高人民会議第11期第6回会議では、内閣のチュチェ96(2007)年の活動状況とチュチェ97(2008)年の課題に関する報告を内閣総理の金英逸代議員が行った。報告の内容は次のとおり。

 昨年は、朝鮮労働党の独創的な先軍革命指導のもと、共和国の政治的・軍事的威力が全世界に誇示され、経済強国の建設において新たな局面が開かれた闘争と前進の1年であった。

 金日成主席の誕生95周年、朝鮮人民軍創建75周年記念大政治祭典と地方主権機関代議員選挙をはじめ、重要な政治的出来事を通じて我々の思想と伝統の確固不動性、党のまわりに一心団結した千万軍民の不屈の意志と戦闘力が遺憾なく発揮され、共和国政権はいっそう盤石に固められた。

 昨年、国の経済的潜在力と我が人民の底知れない創造的能力を誇示する貴重な成果が収められた。

 昨年内閣は、朝鮮労働党の先軍時代経済建設路線を掌握し、人民軍隊の戦闘力強化と国防工業発展のための物質的保障事業に優先的な力を入れながら、農業と軽工業部門で生産的高揚を起こし、先駆け部門を盛り立て、人民経済の技術改造を推し進めることに重心を置いて経済事業を作戦し、組織・展開した。

 全国的に数千の主要工場、企業所が人民経済計画を超過遂行し、工業総生産が増えた。

 特に、昨年電力生産と工作機械、発電機、化学肥料、一般布、履き物など、重要工業製品の生産が前年に比べてはるかにふえたのは、我々の工業が活性化の軌道にしっかり乗ったことを実証している。

 新しく現代的な生産拠点建設と既存の生産ラインの技術改造を推し進めたことにより、我々の自立的民族経済の基盤がいっそう拡大、強化された。

 南浦港の貨物埠頭が建設されたのをはじめ、貿易港の技術改造事業が活発に行われ、新世紀の要求に即して逓信を現代化するためのたたかいのもとで各種情報の通信を円滑に行える基礎が築かれ、自動電話交換能力がはるかに増加した。

 多くの市、郡の地方産業工場が技術改造され、工場、企業所の生活必需品職場、作業班が整備・改造されて全般的な消耗品生産基礎が補強された。

 党の農業革命方針を貫徹するたたかいの過程で、重要作物の多収穫品種が広く導入され、ミル平野水路工事を積極的に推進し、各地域に現代的な畜産拠点が立派に建てられた。

 平壌市の重要通り補修が成功裏に行われ、沙里院市民俗通りが竣工したのをはじめ、都市建設および補修事業が力強く進められ、全国的に370余の農村が新たに建設された。

 2007年までの国家科学技術発展5カ年計画の重要課題が遂行されたことにより、国家に大きな利得を与え、昨年だけでも数多くの科学技術成果が収められて生産の活性化と人民経済の技術改造に貢献した。

 昨夏、我が国では例年にない豪雨が3回も相次いであり、少なくない住宅と生産・公共建物が破壊され、数十万ヘクタールの農耕地が浸水、流失、埋没するなど莫大な被害を受けた。

 この厳しい自然災害の前で我が軍隊と人民は、少しもちゅうちょすることなく党のまわりに固く団結して被害復旧事業に一丸となって立ち上がり、先軍朝鮮の戦闘的気概を改めて世界に示した。

 我が人民は、洪水被害復旧事業を支援した海外同胞と世界の進歩的人民、国際機関の誠意ある協力に感謝しており、これを忘れないであろう。

 教育部門では、各級教育機関を現代的に整え、教育の質を高める活動で進展が遂げられ、保健医療、文化・芸術、スポーツ部門でも大きな成果が収められた。

 朝鮮労働党は、ことしから総攻撃戦を展開して金日成主席の誕生100周年にあたる2012年に強盛大国の大門を必ず開くという雄大な目標を示した。

 ことしの経済部門の中心課題は、党の先軍時代経済建設路線を体して国の防衛力を強化するための保障活動を最優先視しつつ、人民経済の先駆け部門、基礎工業部門を盛り立て経済強国建設の進撃路を開き、人民経済の技術改造を引き続き力強く推し進める一方、人民生活第一主義の原則に基づいて食の問題、食糧問題、消費物資の問題を決定的に解決し、人民の生活において実質的な改善をもたらすようにすることである。

 我々は、「共和国創建60周年を迎えることしを祖国の歴史に刻まれる歴史的転換の年として輝かそう!」という党の戦闘的スローガンを体して各部門で新たな飛躍と前進を遂げることにより、工業総生産高を著しく伸ばすであろう。

 内閣はことし、人民経済の先駆け部門、基礎工業部門を社会主義経済建設の生命線としてとらえ、国のすべての人的・物的資源を電力、石炭、金属工業と鉄道運輸を盛り立てることに総集中するであろう。

 既存の土台に依拠して地質探査事業と採取、機械、化学、建材工業、林業をはじめ、基幹工業部門の生産を活性化し、技術改造を推し進めるであろう。

 船舶と自動車による国内輸送を積極的にふやし、貿易港を現代化するための事業を力強く推し進めて対外貿易貨物輸送を発展させていく。

 人民生活第一主義を堅持することは、共和国創建60周年を迎えることし、内閣に提起された重大な課題である。

 我々は、党の農業革命方針を体して稲、トウモロコシの多収穫品種を適地適作、適期適作の原則に基づいて全面的に導入し、先進的な営農技術と営農方法を広く普及、一般化し、自力で農業を営む運動を力強く展開してことし、必ず人民の食の問題、食糧問題の解決において大きな前進を遂げるであろう。

 水路建設と耕地造成を力強く推し進め、人民経済の各部門で営農物資の生産、供給を責任をもって行い、全国が奮起して農村を労力的・物質的にしっかり支援するようにする。

 肉と卵、水産物の生産をふやし、養魚部門で既に築いた養魚拠点を実質的に運営して人民が実際に恩恵に浴するようにする。

 軽工業部門の工場をフル稼働させて良質の消費物資を大々的に生産し、新しい生産拠点を築く事業を引き続き力強く推し進めるようにする。

 社会主義商業の本質的要求と現実発展の要求に即して商品供給事業を改善するための革命的対策を立て、社会給養、便宜・サービス事業を改善して全国が賑わうようにする。

 各級病院を新世紀の要請にこたえて立派に整え、医薬品と医療機器生産および供給事業を改善し、社会保険制、静養・休養制、栄誉戦傷軍人優遇制をはじめ、諸般の人民的施策が正確に実施されるようにする。

 記念碑的建築物建設を推し進め、平壌市建設を大胆かつスケールが大きく手配、展開し、都市と農村により多くの住宅を建設する。

 平壌市と重要都市の上下水道施設改造に優先的力を入れ、住宅補修を積極的に進め、山林造成、河川整理を展望計画に従って着実に行っていく。

 ことしから我々は、2012年までの新しい国家科学技術発展5カ年計画の遂行に入ることになる。

 新5カ年計画は、人民経済の先駆け部門を盛り立て、食糧問題をはじめ、人民生活問題を決定的に解決し、先端科学技術部門のしっかりした基礎を構築し、人民経済の重要部門を現代化するうえでの科学技術的問題を解決することによって、経済発展において科学技術発展の寄与率を30%水準に引き上げることを総体的目標としている。

 我々は、この部門に対する国家投資を系統的にふやし、科学者、技術者の責任感と役割を高めて5カ年計画の課題を成功裏に遂行することにより、我々の科学技術を最短期間のうちに発展した水準に引き上げるであろう。

 さしあたり、ことし、人民経済の各部門で科学技術発展5カ年計画の初年の課題を確実に遂行し、工場、企業所で科学技術に基づく生産システムを確立する一方、情報産業の発展に国家的な力を入れるようにする。

 我々は、諸外国との対外経済関係において主体性を確立し、我々の資源、我々の技術に依拠した2次、3次加工品の輸出を積極的に拡大し、貿易を多様化、多角化するであろう。

 社会主義経済管理に対する指導と管理を絶えず改善し、朝鮮式に完成させていくことは内閣の重要な任務であり、経済強国建設において緊急に解決すべき要の問題である。

 経済活動を内閣に集中させ、国の経済を科学的な戦略をもって、長期的な展望のもとに発展させるようにすべきである。

 ことしも、社会主義文化建設に引き続き大きな力を入れて強盛大国の建設で一役を担う優れた人材をより多く育成し、先軍時代の躍動する現実を反映した文学・芸術作品をより多く創作し、第29回オリンピック競技大会(北京五輪)で金メダルを獲得して祖国の栄誉を輝かすための準備に力量を集中する。

 すべての幹部が経済強国建設の先頭に立って生産者の精神力と創造力を最大に発揮させることにより、生産と建設において新たな奇跡と革新を創造するようにすべきである。
「月間論調」2008年4月号


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