朝鮮中央通信によると、16日付の「民主朝鮮」紙は、「危険極まりない先制攻撃企図」と題する署名入りの論評を掲載した。その全文は次のとおり。


　米国が、我が共和国に対する核先制攻撃を加える計画を企てている事実が明るみに出て世論の焦点となっている。

　外電によると、米軍の核戦略を統一的に管轄する戦略軍（ＳＴＲＡＴＣＯＭ）の包括的な作戦計画「ＯＰＬＡＮ８０１０」には、我が国を含む数カ国を「潜在的な核攻撃の対象」に定め、核先制攻撃を加えるための具体的な作戦案が含まれているという。この計画には、攻撃目標として、当該国の「大量破壊兵器関連施設」「軍や国家の指導層」など重要対象を想定していることも判明した。

　その一方、最近米政府が新たに作成する核政策報告書に、我々の「ミサイルの脅威」に対応した先制攻撃のため、新型攻撃用兵器の開発を計画している事実が明らかになった。米国が新たに開発しようとする「全地球迅速打撃」攻撃用兵器は、米本土から発射して１時間以内に世界のどの地域も攻撃できる能力を備えるようになるという。

　こうした事実は、我が共和国を核先制攻撃しようとする米国の企図が実践段階に入っていることを実証している。

　核兵器を独占して戦略攻撃兵器の分野で覇権を握ることにより、世界にたいする支配野望を実現すること、これがまさに米国の核戦略である。このような犯罪目的を達成するために米国は、世界の戦略的要衝に核武力を展開し、ライバルと「潜在的な敵」に核の脅威を絶えず加えている。

　米国の核先制攻撃戦略の実現で基本目標は、まさに我が国である。

　米国は、既に久しい前から我が国への核先制攻撃をねらった侵略戦争計画を作成し、それを絶えず更新して実践に移す機会だけをうかがっている。米国は、南朝鮮に1000余の核兵器を展開し、我が共和国にたいする重大な核の脅威と反共和国軍事的圧殺策動を絶え間なく強化して情勢を極度に緊張させている。

　米国は、機会をうかがい不意に我が共和国を核先制攻撃して全朝鮮半島を掌握し、アジア地域を軍事的に支配、統制するための戦略的拠点にしようと画策している。まさにここに、日を追っていっそう露骨になる米国の反共和国軍事的圧殺策動の重大さと危険性がある。

　現在、米好戦狂と南朝鮮かいらいが強行している「キー・リゾルブ」「フォールイーグル」合同軍事演習も、我が共和国への不意の先制攻撃をねらった北侵核戦争演習であることは言うまでもない。

　米好戦勢力の無謀な軍事的ヒステリーにより、東北アジアの情勢が緊張し、朝鮮半島には戦争が起こりかねない危険極まりない情勢が生じている。

　こんにちの事態は、我が共和国が自衛的戦争抑止力を強化してきたことが至極正当であったことを雄弁に実証している。

　米国の核先制攻撃企図に対処して我が国が自衛的国防力を強化しなかったなら、朝鮮半島は既に米国の核の戦場になって朝鮮民族が甚だしい核の惨禍を被ったことであろう。

　現実は、我が共和国の自衛的戦争抑止力が朝鮮半島で核戦争を防いで平和を保障し、東北アジア、ひいては世界の平和と安全を維持するための威力ある盾であることを実証している。

　米国は口先では「対話」について云々しているが、それは我々を武装解除させ、軍事的に圧殺するための欺瞞術策にすぎない。

　米国が、我が共和国にたいする核先制攻撃で自国の侵略目的を達成できると打算するなら、それは誤算である。我々には、自衛のための正当防衛選択権がある。我が共和国が米帝の増大する軍事的脅威に対処して自衛的戦争抑止力を強化するのは、至極正当な自主権の行使である。

　我々は、対話と戦争のどちらにも準備ができている。

　我が国にたいする米国の核の脅威と軍事的圧殺策動が続く限り、我々の自衛的戦争抑止力は百倍、千倍に固められるであろう。

　米国は、我々の強い力と意志を直視し、無謀な軍事的圧殺策動を打ち切らなければならない。

　米好戦勢力は、冒険的な核先制攻撃企図が自滅をもたらす愚行であることをしっかり銘記し、むやみに狂奔してはならない。