朝鮮民主主義人民共和国
最高人民会議第11期第5回会議


−2007年4月11日開催−



 朝鮮民主主義人民共和国の最高人民会議第11期第5回会議が2007年4月11日、平壌の万寿台議事堂で開催された。

 会議には、金正日総書記が2005年4月の第3回会議以来、2年ぶりに出席したのをはじめ、代議員687人中593人が参加した。

 会議では、「1.内閣の2006年の活動状況と07年の課題」、「2.06年国家予算執行の決算と07年国家予算」、「3.組織問題(人事)」の議題が討議された。

 郭範基副総理は第1議題に対する報告で、今年の経済建設分野の中心課題は農業と軽工業の土台に依拠して人民生活を向上させ、人民経済4大先行部門(電力、石炭、金属、鉄道運輸)を盛り立てて全般的な経済の生産潜在力を最大限発揚させ、社会主義経済管理問題を朝鮮式に円滑に解決することなどと具体的な課題に言及した。

 内閣の活動に関する報告はこれまで朴奉珠総理が行ってきたが、今回郭範基副総理が行ったのは、朴総理の召還を前提にしたものと思われる。

 続いて盧斗哲副総理が第2議題に対する報告で、06年に国家予算歳入は計画に対して97.5%遂行され、国家予算歳出は計画に対して99.9%執行されたし、歳出総額の16%を国防費に投資したと述べた。

 そして、今年は前年比で国家予算歳入は5.9%、国家予算歳出は3.3%それぞれふやし、歳出総額の15.8%を国防費に支出することを明らかにした。今年も国家予算の金額は明らかにされなかった。

 会議では特に、「人民経済の各部門、各単位で科学技術をとらえて経済活動を企画し、手配、展開することを鉄則とし、生産と科学技術を密着させて経済成長において科学技術が占める寄与分を系統的に高める」(内閣活動報告)とともに、科学技術部門に対する国家予算の資金支出を昨年比60.3%増加するとして、今年、科学技術部門に力を入れることが強調された。

 会議では、組織問題で朴奉珠総理を召還し、長年陸海運部門に従事してきた金英逸陸海運相が総理に選出された。朴前総理の召遼理由は不明。

 また、金永春国防委員会委員が同委員会副委員長に選出された。

 会議では、今年1月の白南淳氏死去後、空席となっている外相や金英逸新総理選出に伴う後任の陸海運相は発表されていない。

 以下、第5回会議開催に関する報道、内閣活動と国家予算の報告(いずれも要旨)、内閣拡大総会・関連社説を掲載する。

(朝鮮通信07.0510)



金英逸新総理の略歴


 12日の朝鮮中央通信は、朝鮮最高人民会議第11期第5回会議で新総理に選出された金英逸氏の略歴を紹介した。

 それによると、金英逸氏は1944年5月2日生まれで、1961年から9年間、朝鮮人民軍に服務し、海運大学を卒業、航海技師資格を取得した後、3年間、3大革命グループ員として活動した。

 その後14年間、陸海運部(当時)指導員、副総局長、1994年から陸海運相を務めた。【朝鮮通信=東京】


2007年4月19日 (関連社説)ことしの国家予算を徹底的に執行しよう
2007年4月11日 会議開催に関する報道
2007年4月11日 内閣の2006年活動状況と2007年の課題
2007年4月11日 2006年国家予算執行の決算と2007年国家予算




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